M&A(事業承継)

M&Aとは

M&A(Mergers&Acquisitions)とは企業の合併・買収の総称で、一部営業譲渡や資本提携などの企業提携もこれに含まれます。企業がある一定の節目を迎えると、基本的に「承継」「上場」「売却」「清算」「倒産」の5つの道を選択することになります。しかし、多くの経営者様がこれらの選択に頭を悩ませています。特に多いのが、誰かに会社を「承継」したいが承継者が見つからないというお悩みです。
「引退後も会社を存続させたい」と考えている経営者様は少なくありません。これまでご自身が大切に育ててきた会社ですから、愛着があるのも当然です。しかし、「息子が大企業に勤めていて、そちらの方が安定しているので継ぎたくないと言っている」「従業員に会社を任せられる人材がいない」などの要因により、承継者が見つからない場合があります。こうした場合には、M&Aでもって第三者に譲り渡すことで、会社を存続させることができるようになります。

M&Aとは会社と会社の「結婚」のようなもの

「引退後も会社を存続させたいが、承継者がいない」などとお困りであれば、信頼できる専門家に相談されることをおすすめします。M&Aとは会社と会社の「結婚」のようなもので、スムーズに進行させることは簡単ではありません。また、M&Aの情報が外部に漏れることを心配される方もいるかと思います。だからこそ、M&Aを成功させるためには「誰にサポートをお願いするか?」が非常に重要となります。当事務所では、ご相談者様のご希望に沿ったM&Aの実現を目指します。

業績が安定しているうちに相談されることをおすすめします

M&Aをお考えであれば、業績が安定しているうちに専門家に相談されることをおすすめします。M&Aのメリットには、「承継者がいない会社を存続させることができる」ということ以外にも、大手企業に譲渡することで、これまで行えなかった事業展開が可能となったり、従業員の雇用を守ることができたりするなどがありますが、業績が落ち込んでからだと望んでいる結果にならない場合があります。
業績が安定している時に、会社を誰かに譲り渡すことを検討するのは難しいと思いますが、M&Aでもって第三者に譲り渡したからといって、それで会社との関係が終わるわけではありません。M&A後もいわゆる「雇われ社長」として関わったり、顧問として関わったりするなどの方法もありますので、「M&A」=「身売り」と従来のネガティブなイメージにとらわれるのでなく、メリット部分にも注目して頂ければと思います。

事業承継とは

M&Aの方法の1つに事業承継があります。家族や従業員などに会社の株式・経営の譲渡などを行うことで、会社を存続・発展させる方法です。事業承継を行うためには、株式と経営の2つを承継者に承継させることになりますが、株式を承継させるためには承継者に資金が必要となるため、ファイナンススキームを組み合わせて行う場合があります。また、承継者に経営の経験が不足している場合には、引き継ぎ期間を長く設けて教育などを行う必要があります。

M&Aのメリット・デメリット

メリット

買収する側

  • 既存の会社を買収するため、大幅な赤字を抱えていない限りは、売り上げや利益などをそのまま加えることができる
  • スケールメリットが期待できる業界であれば、規模拡大によりコスト削減が可能となる
  • 新規参入の場合、一からブランドを構築するよりも、既存の会社を買収した方がコストを抑えることが可能で、事業の成功率も高まる

売却する側

  • 経営者によって得意な成長ステージと不得意な成長ステージがあるため、現在、会社が立っている成長ステージを得意とする経営者に経営を任せることで、さらなる発展に繋がる場合がある
  • 大手企業に譲渡することで、経営が安定したり、これまで行えなかった事業展開が可能となる場合がある
  • 買収する側の会社とのシナジー効果により、会社がさらなる発展を遂げることができる場合がある
  • 会社を売却することで大きな資金を得て、新事業を立ち上げたり、リタイアして第二の人生を送ったりするなど、新しい道を踏み出すことができるようになる
  • 会社を保有し続けると、相続の時に多額の税金がかかったり、遺産分割の際に問題が生じたりする可能性があるが、早期に譲渡することで、柔軟に相続対策を立てることができるようになる

デメリット

買収する側

  • 売却する側が協力的でないと、会社の価値を正確に見積もるのが難しいため、M&Aを行っても期待したような成果が得られないリスクがある
  • 企業文化の違いから双方の従業員が上手く融合せず、業務の効率が悪くなって、企業価値を損ねてしまう場合がある

売却する側

  • 双方の従業員が上手く融合しなかった場合、売却した会社の価値が損なわれてしまったり、残った従業員の処遇が悪くなったりするリスクがある
  • 買収する側が会社の名誉を傷つける行動を起こした時、会社のブランドイメージが損なわれてしまう場合がある

M&Aの流れ

買収する側、売却する側で手順は多少異なりますが、M&Aの主な流れは次の通りになります。M&A開始から終了までの期間の目安は、早い場合で数ヶ月程度です。長い場合には1年以上かかることもあります。

1M&Aの対象を探す

会社を買収したいのであれば売却を希望する会社を、売却したいのであれば買収を希望する企業を探します。

2会社名の開示可否の確認

様々な事情により相手側に会社名を開示したくないというケースもありますので、双方で会社名の開示可否を確認します。

3経営者面談・基本合意契約の締結

双方の会社の経営者が面談を行い、M&Aについて基本合意がなされた場合には、「基本合意契約書」を締結します。ただし、基本合意契約書の締結はあくまで「M&Aの実現に向けて協力します」という契約ですので、締結後、何らかの要因によりM&Aが実現しないこともあります。

4売却する会社の調査(デューデリジェンス)

M&Aについて基本合意がなされた後も、買収する会社は対象となる会社(売却側の会社)をきちんと調査する必要があります。これを「デューデリジェンス」と言います。主なデューデリジェンスとして次の3つがあります。

  • 財務デューデリジェンス
    対象となる会社(売却側の会社)の税務や財務などの状況を確認する調査です。主に公認会計士や税理士が実施します。対象となる会社の決算書などを確認して、滞留売掛金や滞留在庫などの不良資産の有無のほか、経営理念、経営戦略、経営管理制度、人事制度、情報システムなどを詳しく調査します。
  • 法務デューデリジェンス
    対象となる会社(売却側の会社)に法的なリスクがないか、またM&A戦略を阻害する要因などはないかを確認する調査です。主に弁護士や司法書士が実施します。対象となる会社の契約書の確認のほか、株主の状況、コンプライアンスの遵守状況、労務の状況、紛争の有無などを詳しく確認します。調査を実施する弁護士・司法書士は、提携先をご紹介することも可能です。
  • ビジネス デューデリジェンス
    対象となる会社(売却側の会社)の営業や製造などのビジネスモデル、事業としての価値、M&Aにおけるシナジー効果などを確認する調査です。専門家に依頼する場合もありますが、主に買収する会社の実務担当者が実施します。得意先ごとの売上の推移、仕入価格、利益率、人材などを調査して、事業として今後も成長が期待できるかどうかなどを確認します。

5株式(事業)の譲渡対価の合意

デューデリジェンスを実施した後、その結果に基づいて株式(事業)の譲渡対価について合意がなされます。譲渡対価を計算するために、デューデリジェンスとは別に株式(事業)価値算定業務(バリュエーション)が実施されることもあります。従業員の継続雇用などの諸条件も、この時に話し合われることがあります。

6株式譲渡契約書の締結・株式譲渡

株式(事業)の譲渡対価の合意に基づき、「株式譲渡契約書」を締結し、売却側の会社の株式を買収側の会社に譲渡します。

  弊所は中小M&Aガイドラインを遵守しています。

 
 

中小M&Aガイドライン(第2版)遵守の宣言について

 中田聡公認会計士事務所は、国が創設したM&A支援機関登録制度の登録を受けている支援機関であり、中小企業庁が定めた「中小M&Aガイドライン(第2版)」(令和5年9月)を遵守していることを、ここに宣言いたします。
中田聡公認会計士事務所は、中小M&Aガイドラインを遵守し、下記の取組・対応を実施しております。


○支援の質の確保・向上に向けた取組

1 依頼者との契約に基づく義務を履行します。
・善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって仲介業務・FA業務を行います。

・依頼者の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図りません。

2 契約上の義務を負うかにかかわらず、職業倫理として、依頼者の意思を尊重し、利益を実現するための対応を行います。

3 代表者は、支援の質の確保・向上のため、①知識・能力向上、②適正な業務遂行を図ることが不可欠であることを認識しており、当該取組が重要である旨のメッセージを社内外に発信しています。また、発信したメッセージと整合的な取組を実施します。

4 知識・能力の向上のための取組を実施しています。

5 支援業務を行う役員や従業員における適正な業務を確保するための取組を実施しています。

6 業務の一部を第三者に委託する場合、外部委託先における業務の適正な遂行を確保するための取組を実施しています。

○M&Aプロセスにおける具体的な行動指針

7 専門的な知見に基づき、依頼者に対して実践的な提案を行い、依頼者のM&Aの意思決定を支援します。その際、以下の点に留意します。
 想定される重要なメリット・デメリットを知り得る限り、相談者に対して明示的に説明します。
 仲介契約・FA契約締結前における相談者の企業情報の取扱いについても、善良な管理者の注意義務(善管注意義務)を負っていることを自覚し、適切に取扱います。

8 仲介契約・FA契約の締結について、業務形態の実態に合致した仲介契約あるいはFA契約を締結します。


9 契約締結前には、依頼者に対し仲介契約・FA契約に係る重要な事項(以下(1)~(13))を記載した書面を交付する等して、明確な説明を行い、依頼者の納得を得ます。
(1) 譲り渡し側・譲り受け側の両当事者と契約を締結し双方に助言する仲介者、一方当事者のみと契約を締結し一方のみに助言するFAの違いとそれぞれの特徴(仲介者として両当事者から手数料を受領する場合には、その旨も含む。)
(2) 提供する業務の範囲・内容(マッチングまで行う、バリュエーション、交渉、スキーム立案等)
(3) 手数料に関する事項(算定基準、金額、最低手数料、既に支払を受けた手数料の控除、支払時期等)
(4) 手数料以外に依頼者が支払うべき費用(費用の種類、支払時期等)
(5) 秘密保持に関する事項(依頼者に秘密保持義務を課す場合にはその旨、秘密保持の対象となる事実、士業等専門家や事業承継・引継ぎ支援センター等に開示する場合の秘密保持義務の一部解除等)
(6) 直接交渉の制限に関する事項(依頼者自らが候補先を発見すること及び依頼者自ら発見した候補先との直接交渉を禁止する場合にはその旨、直接交渉が制限される対象者や目的の範囲等)
(7) 専任条項(セカンド・オピニオンの可否等)
(8) テール条項(テール期間、対象となるM&A等)
(9) 契約期間(契約期間、更新(期間の延長)に関する事項等)
(10) 契約終了後も効力を有する条項がある場合には、当該条項、その有効期間等
(11) 契約の解除に関する事項及び依頼者が、仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する場合には、当該中途解約に関する事項
(12) 責任(免責)に関する事項(損害賠償責任が発生する要件、賠償額の範囲等)
(13) (仲介者の場合)依頼者との利益相反のおそれがあるものと想定される事項

10 契約を締結する権限を有する方に対して説明します。

11 説明の後は、依頼者に対し、十分な検討時間を与えます。

12 バリュエーション(企業価値評価・事業評価)の実施に当たっては、評価の手法や前提条件等を依頼者に事前に説明し、評価の手法や価格帯についても依頼者の納得を得ます。

13 譲り受け側の選定(マッチング)に当たっては、秘密保持契約締結前の段階で、譲り渡し側に関する詳細な情報が外部に流出・漏えいしないよう注意します。

14 交渉に当たっては、慣れない依頼者にも中小M&Aの全体像や今後の流れを可能な限り分かりやすく説明すること等により、寄り添う形でサポートします。

15 デュー・デリジェンス(DD)の実施に当たっては、譲り渡し側に対し譲り受け側が要求する資料の準備を促し、サポートします。

16 最終契約の締結に当たっては、契約内容に漏れがないよう依頼者に対して再度の確認を促します。

17 クロージングに当たっては、クロージングに向けた具体的な段取りを整えた上で、当日には譲り受け側から譲渡対価が確実に入金されたことを確認します。

○仲介契約・FA契約の契約条項に関する留意点内容について

 専任条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

18 専任条項を設ける場合、その対象範囲を可能な限り限定します。具体的には、依頼者が他の支援機関の意見を求めたい部分を仲介者・FAに対して明確にした上、これを妨げるべき合理的な理由がない場合には、依頼者に対し、他の支援機関に対してセカンド・オピニオンを求めることを許容します。ただし、相手方当事者に関する情報の開示を禁止したり、相談先を法令上又は契約上の秘密保持義務がある者や事業承継・引継ぎ支援センター等の公的機関に限定したりする等、情報管理に配慮します。

19 専任条項を設ける場合には、契約期間を最長でも6か月~1年以内を目安として定めます。

20 依頼者が任意の時点で仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する条項等(口頭での明言も含む。)を設けます。
 
 直接交渉の制限に関する条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

21 直接交渉が制限される候補先は、当該M&A専門業者が関与・接触し、紹介した候補先のみに限定します(依頼者が「自ら候補先を発見しないこと」及び「自ら発見した候補先と直接交渉しないこと(依頼者が発見した候補先との M&A 成立に向けた支援をM&A 専門業者に依頼する場合を想定)」を明示的に了解している場合を除く。)。

22 直接交渉が制限される交渉は、依頼者と候補先の M&A に関する目的で行われるものに限定します。

23 直接交渉の制限に関する条項の有効期間は、仲介契約・FA 契約が終了するまでに限定します。

 テール条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

24 テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とします。

25 テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側のみに限定します。

○仲介業務を行う場合の留意点(※仲介業務を行わない場合は不要)

 仲介業務を行う場合、特に以下の点を遵守して、行動します。

26 依頼者との契約に基づく義務を履行します。いずれの依頼者に対しても公平・公正であり、いずれか一方の利益の優先やいずれか一方の利益を不当に害するような対応をしません。

27 仲介契約締結前に、譲り渡し側・譲り受け側の両当事者と仲介契約を締結する仲介者であるということ(特に、仲介契約において、両当事者から手数料を受領することが定められている場合には、その旨)を、両当事者に伝えます。

28 仲介契約締結に当たり、予め、両当事者間において利益相反のおそれがあるものと想定される事項(※)について、各当事者に対し、明示的に説明を行います。
例:譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を締結することから、双方のコミュニケーションや円滑な手続遂行を期待しやすくなる反面、必ずしも譲渡額の最大化だけを重視しないこと

29 また、別途、両当事者間における利益相反のおそれがある事項(一方当事者にとってのみ有利又は不利な情報を含む。)を認識した場合には、この点に関する情報を、各当事者に対し、適時に明示的に開示します。

30 確定的なバリュエーションを実施せず、依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝えます。

31 参考資料として自ら簡易に算定(簡易評価)した、概算額・暫定額としてのバリュエーションの結果を両当事者に示す場合には、以下の点を両当事者に対して明示します。
 あくまで確定的なバリュエーションを実施したものではなく、参考資料として簡易に算定したものであるということ
 当該簡易評価の際に一方当事者の意向・意見等を考慮した場合、当該意向・意見等の内容
 必要に応じて士業等専門家等の意見を求めることができること

32 交渉のサポートにおいては、一方当事者の利益のみを図ることなく、中立性・公平性をもって、両当事者の利益を図ります。

33 デューデリジェンスを自ら実施せず、デューデリジェンス報告書の内容に係る結論を決定しないこととし、依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝えます。

○その他
34 上記の他、中小M&Aガイドラインの趣旨に則った対応をするよう努めます。
以上

 

中小M&Aガイドライン(第3版)遵守の宣言について


中田聡公認会計士事務所は、国が創設したM&A支援機関登録制度の登録を受けている支援機関であり、中小企業庁が定めた「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年8月)を遵守していることを、ここに宣言いたします。
中田聡公認会計士事務所は、中小M&Aガイドラインを遵守し、下記の取組・対応を実施しております。



○支援の質の確保・向上に向けた取組


1依頼者との契約に基づく義務を履行します。
·善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって仲介業務・FA業務を行います。
·依頼者の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図りません。
·(仲介者の場合)いずれの依頼者に対しても公平・公正であり、いずれか一方の利益の優先やいずれか一方の利益を不当に害するような対応をしません。

2契約上の義務を負うかにかかわらず、職業倫理として、依頼者の意思を尊重し、利益を実現するための対応を行います。

3代表者は、支援の質の確保・向上のため、①知識・能力向上、②適正な業務遂行を図ることが不可欠であることを認識しており、当該取組が重要である旨のメッセージを社内外に発信しています。また、発信したメッセージと整合的な取組を実施します。

4知識・能力の向上のため実効性のある取組を実施しています。

5支援業務を行う役員や従業員における適正な業務を確保するための取組を実施しています。

6業務の一部を第三者に委託する場合、外部委託先における業務の適正な遂行を確保するための取組を実施しています。
○M&Aプロセスにおける具体的な行動指針

【意思決定】
7専門的な知見に基づき、依頼者に対して実践的な提案を行い、依頼者のM&Aの意思決定を支援します。その際、以下の点に留意します。

·想定される重要なメリット・デメリットを知り得る限り、相談者に対して明示的に説明します。
·仲介契約・FA契約締結前における相談者の企業情報の取扱いについても、善良な管理者の注意義務(善管注意義務)を負っていることを自覚し、適切に取扱います。

8仲介契約・FA契約締結に向けて行う広告・営業については、以下の規律を遵守した上で、適切に実施します。
※なお、広告・営業の実施にあたっては、職業倫理の遵守が求められるほか、仮に、過去の対応状況や頻度等に照らして、広告・営業先の中小企業の事業活動や経営者の生活に多大な支障を与えるような過剰なものである場合には、民法上の不法行為責任を負う可能性もあることに留意する。

·広告・営業先からM&Aの実施意向がない旨、仲介契約・FA契約を締結しない旨又は引き続き広告・営業を受けることを希望しない旨の意思(以下「停止意思」という。)を表示された場合には、停止意思を拒まず、ただちに広告・営業を停止します。
·広告・営業先から停止意思の表示があった場合については、その内容を組織的に記録し、共有します。
·停止意思を表示した者に対し、仮に広告・営業を再開する場合には、慎重に検討の上、組織的な判断(明確化された基準の下での一担当者限りではなく組織的なプロセスによる判断であって、組織的に記録され、事後に検証可能であるものをいう。)により行います。
·広告・営業先の中小企業の意思決定を適切に支援する観点から、下記のような広告・営業は行いません。

①当社の名称、勧誘を行う者の氏名、仲介契約・FA 契約の締結について勧誘する目的である旨を告げずに行う広告・営業
②仲介契約・FA契約を締結し、M&Aの手続を進めるか否かの意思決定の上で必要な時間を与えず、即時の判断を迫る広告・営業
③M&Aの成立の可能性や条件等の仲介契約・FA契約を締結し、M&Aの手続を進めるか否かの意思決定に影響を及ぼす事項について、虚偽若しくは事実に相違する又は誤認を招くような広告・営業(例えば以下)
譲り受け(譲り渡し)の意向が無い企業若しくはその意向を確認していない企業又は実際には存在しない企業に関して、譲り受け(譲り渡し)の意向があると偽り又はそのように誤認させるもの
譲渡額の水準について過大なバリュエーションを提示するもの
譲り渡し側(譲り受け側)の財務状況、今後の見通し等の情報について、事実に相違する、又は実際のものよりも優良であり、若しくは有利であると誤認させるもの
その他M&A の成立の可能性やその条件について確定的な判断を下すもの

【仲介契約・FA契約の締結】

9業務形態の実態に合致した仲介契約あるいはFA契約を締結します。

10契約締結前に、依頼者に対し仲介契約・FA契約に係る重要な事項(以下(1)~(17))を記載した書面を交付する等して、明確な説明を行い、依頼者の納得を得ます。
(1)譲り渡し側・譲り受け側の両当事者と契約を締結し双方に助言する仲介者、一方当事者のみと契約を締結し一方のみに助言するFAの違いとそれぞれの特徴(仲介者として両当事者から手数料を受領する場合には、その旨も含む。)
(2)提供する業務の範囲・内容(バリュエーション、マッチング、交渉等のプロセスごとに提供する業務の範囲・内容)
(3)担当者の保有資格(例えば、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、その他会計に関する検定(簿記検定、ビジネス会計検定等)等)、経験年数・成約実績
(4)手数料に関する事項(算定基準、金額、最低手数料、既に支払を受けた手数料の控除、支払時期等)
(5)手数料以外に依頼者が支払うべき費用(費用の種類、支払時期等)
(6)(仲介者の場合)相手方の手数料に関する事項(算定基準、最低手数料、支払時期等)
(7)秘密保持に関する事項(依頼者に秘密保持義務を課す場合にはその旨、秘密保持の対象となる事実、士業等専門家や事業承継・引継ぎ支援センター等に開示する場合の秘密保持義務の一部解除等)
(8)直接交渉の制限に関する事項(依頼者自らが候補先を発見すること及び依頼者自ら発見した候補先との直接交渉を禁止する場合にはその旨、直接交渉が制限される候補先や交渉目的の範囲等)
(9)専任条項(セカンド・オピニオンの可否等)
(10)テール条項(テール期間、対象となるM&A等)
(11)契約期間(契約期間、更新(期間の延長)に関する事項等)
(12)契約の解除に関する事項及び依頼者が、仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する場合には、当該中途解約に関する事項
(13)責任(免責)に関する事項(損害賠償責任が発生する要件、賠償額の範囲等)
(14)契約終了後も効力を有する条項(該当する条項、その有効期間等)
(15)(仲介者の場合)両当事者間において利益の対立が想定される事項
(16)(譲り渡し側への説明の場合)譲り受け側に対して実施する調査の概要(調査の実施主体、財務状況に関する調査、コンプイアンスに関する調査、事業実態に関する調査等)
(17)(譲り渡し側への説明の場合)業界内での情報共有の仕組みへの参加有無(参加していない場合にはその旨)

11手数料・提供する業務の内容や相手方の手数料に関する事項については、以下に沿って説明します。
·手数料に関する事項を明確に説明するとともに、当該手数料を対価として自らが提供する業務の内容を説明します。具体的には成功報酬において採用される報酬率、報酬基準額(譲渡額/純資産/移動総資産等)、最低手数料の額、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)等の手数料の算定基準や提供する具体的な業務の内容について書面を交付して(メール送付等といった電磁的方法による提供を含む。)、説明します。
·提供する業務については、「M&Aのプロセス」ごとにどういった業務を提供するのか整理(各プロセスにおいて業務を提供しない場合には、その旨も含む。)を実施の上、書面を交付して(メール送付等といった電磁的方法による提供を含む。)、説明します。具体的にはガイドライン第2章Ⅱ4①の表の「M&Aプロセス」ごとに、提供する主な業務を整理の上、適切な説明を行います(同表の「提供する主な業務」の列には例を記載。)。
·担当者の保有資格(例えば、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、その他会計に関する検定(簿記検定、ビジネス会計検定等)等)、経験年数・成約実績について説明します。
·契約締結前の説明において仮に依頼者から納得が得られず、仲介者・FAに対して業務や手数料に関する交渉が申し入れられた場合には、誠実に対応を検討します。
·(仲介者の場合)仲介契約締結前に、依頼者から受領する手数料に関する事項に加えて、相手方の手数料に関する事項(報酬率、報酬基準額(譲渡額/純資産/移動総資産等)、最低手数料の額、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)等についても、相手方を含めた手数料の総額がM&Aの成立やその条件(譲渡額等)に影響を与える可能性がある旨も含め、書面を交付して(メール送付等といった電磁的方法による提供を含む。)、依頼者に対し説明します。
·仲介契約締結前に説明した相手方の手数料を増額する場合には、増額の内容を依頼者に対し開示します。
·依頼者の手数料を減額する場合には、当初説明した相手方の手数料を増額していない旨を依頼者に対して改めて説明します。
·(FAの場合)相手方を支援するFAから支払を受ける場合には、支払額や支払の名目、支払時期について依頼者に対し説明します。

12上記10,11の説明は、契約を締結する権限を有する者(個人の場合には、当該個人。法人の場合には、代表者又は契約締結について委任を受けた者。)に対し行います。

13上記10,11の説明の後、契約締結について適切に判断するために、依頼者に対し、十分な検討時間を与えます。
【バリュエーション(企業価値評価・事業評価)】

14バリュエーションの実施に当たっては、評価の手法や前提条件等を依頼者に事前に説明し、評価の手法や価格帯についても依頼者の納得を得ます。
【譲り受け側の選定(マッチング)】

15ネームクリア(譲り渡し側の名称を含む企業概要書等の詳細資料の開示)は、ノンネーム・シート(ティーザー)等の提示により、興味を示した候補先に対して、譲り渡し側からの同意を取得し、候補先との秘密保持契約を締結した上で、実施します。

16譲り渡し側からの同意については、開示先となる候補先ごとに個別に同意を取得します。

17秘密保持契約締結前の段階で、譲り渡し側に関する詳細な情報が外部に流出・漏えいしないよう注意します。

【交渉】

18慣れない依頼者にも中小M&Aの全体像や今後の流れを可能な限り分かりやすく説明すること等により、寄り添う形で交渉をサポートします。

【デュー・ディリジェンス(DD)】

19デュー・ディリジェンス(DD)の実施に当たっては、譲り渡し側に対し譲り受け側が要求する資料の準備を促し、サポートします。

【最終契約の交渉・締結】

20最終契約の締結までの期間において、譲り渡し側・譲り受け側の双方が可能な限り納得し、かつM&A 成立後に当事者間でトラブルが発生するリスクを低減した形で(低減の上でリスクが残る場合は、少なくともそのリスクを当事者が理解した形で)、最終契約が締結されるように支援します。

21最終契約後・クロージング後に当事者間での争いに発展する可能性があるリスクについて、最終契約の締結までの調整の実施や依頼者への説明を行います。具体的には、特に下記の対応を実施します。
·譲り渡し側の経営者保証の扱いに関しては、譲り渡し側経営者と方針を相談の上、対応を検討します。
①譲り渡し側経営者の経営者保証に係る意向を丁寧に聴取するとともに、士業等専門家(特に弁護士)や事業承継・引継ぎ支援センターへの相談や保証の提供先である金融機関等に対するM&A成立前の相談も選択肢である旨を説明します。
※ただし、金融機関等に対する事前相談については、M&A成立前に当該金融機関等に情報提供を行うことによる留意点(M&Aが成立しなかった場合における情報の扱い等)についても伝えた上で、譲り渡し側経営者の適切な判断を支援します。
②譲り渡し側が経営者保証の扱いについて、士業等専門家や金融機関等に対して相談を希望する場合には、その実施を拒まず、仲介契約・FA契約等における秘密保持条項の対象から相談先の士業等専門家や金融機関等を除外します。さらに、譲り受け側との契約において秘密保持条項がある場合には、譲り受け側に対して、秘密保持条項の対象から相談先の士業等専門家や金融機関等を除外するよう働きかけます。
③最終契約における経営者保証の扱いに関して、保証の解除又は譲り受け側への移行を想定する場合には、最終契約において譲り受け側の義務として保証の解除又は移行を明確に位置付けることを検討します。具体的には、譲り受け側の義務として保証の解除又は移行を位置付けた上で、保証の解除又は移行のクロージング条件としての設定や仮に保証の移行
がなされなかった場合を想定した条項(例えば、契約解除条項や補償条項等)を盛り込む
方向で調整します。
※具体的な条件として、(a)譲り受け側が、最終契約締結後・クロージング前に保証の提供先の金融機関等から保証の解除又は移行が実行できるか組織的な意向表明を取得すること、(b)当該意向表明の結果、保証の解除又は移行の手続を進めることができる場合には、譲り受け側が、最終契約締結後・クロージング前に当該手続の上で必要となる書面を保証の提供先の金融機関等に提出するとともに、代表者の変更登記に係る必要書類の作成すること、を設定することが考えられます。
※その上で、万全を期す場合には、クロージング日に(必要に応じて金融機関等の同席の下で)代表者の変更登記の手続、保証の解除又は移行の手続を同時に実施することが考えられます。
※保証の解除又は移行を確実に実施するための手段としては、クロージング時に、譲り渡し側の経営者保証の対象となっている債務を譲り受け側の資力により返済し、別途譲り受け側が借り換えを行うといった方法も考えられます。
·依頼者に対し、デュー・ディリジェンス(DD)は、譲り渡し側・譲り受け側双方にとって重要なプロセスである旨を説明します。
·依頼者に対し、表明保証の内容はデュー・ディリジェンス(DD)の結果を踏まえて適切に検討されるべきであり、期間や責任上限が設定されていない場合や適用場面が一義的に明確でない規定が存在する場合、譲り渡し側が過大な表明保証責任を負担することとなり、当事者間で争いが生じるリスクがある旨を説明します。
·クロージング後の支払・手続、最終契約後の支払の調整・修正、最終契約後の譲り渡し側の資産・貸付金の整理、最終契約からクロージングまでの期間に関して、両当事者間での調整が十分になされていない段階において、本リスクを生じさせる条項やスキームを安易に提案せず、慎重に検討の上、仮に提案する場合には、組織的な判断(明確化された基準の下での一担当者限りではなく組織的なプロセスによる判断であって、組織的に記録され、事後に検証可能であるものをいう。)により、提案の際には、リスクの詳細とリスクが顕在化した場合に生じうる結果について可能な限り具体的に説明します。
※本リスクを認識した段階で当事者に対し、当該リスクの詳細とリスクが顕在化した場合に生じうる結果について可能な限り具体的に説明することが望ましい。

22最終契約の締結に当たっては、契約内容に漏れがないよう依頼者に対して再度の確認を促します。
※最終契約の内容等に、最終契約締結後・クロージング後に当事者間での争いに発展する可能性があるリスク事項が含まれることになった場合、改めて最終契約締結前に当該リスク事項の詳細とリスクが顕在化した場合に生じうる結果について、可能な限り具体的に説明することが望ましい。

【クロージング】
23クロージングに向けた具体的な段取りを整えた上で、当日には譲り受け側から譲渡対価が確実に入金されたことを確認します。
○不適切な譲り受け側の排除に向けた取組

24不適切な譲り受け側を最大限排除する観点から、以下の取組を実施します。
·譲り受け側が、最終契約を履行し、対象事業を引き継ぐ意思・能力を有しているか確認する観点から譲り受け側に対する調査を実施します。
·その上で、依頼者となる譲り渡し側に対しては、仲介契約・FA契約締結前(M&A プラットフォーマーの場合には、M&A プラットフォームへの登録前)に、譲り受け側の調査の概要
について、説明します。具体的には、ガイドライン第2章
Ⅱ6(1)の表の「調査項目」ごとに、実施する調査の内容を検討し、依頼者への説明を行います。
①詳細な調査の実施内容については、譲り受け側の財務状況及び事業実態の確認、譲り受け側(代表者、役員及び株主等の関係者を含む。)の反社会的勢力への該当性や過去にM&Aに関するトラブルを生じさせたかといったコンプライアンス面での確認が想定され、これらの観点から適切に調査を実施します。特に財務状況については、想定される程度の譲渡対価を調達可能であるかといった観点やM&A の実施後に対象事業を継続して運営できる状況にあるかといった観点から適切な確認を行います。
②調査のタイミングとしては、譲り受け側との仲介契約・FA 契約締結前(M&Aプラットフォーマーの場合には、M&A プラットフォームへの登録前)に加え、M&Aのプロセスが進捗する過程でも適切に必要な調査を実施し、最終契約の締結までに譲り受け側について十分に確認します。
③調査の方法としては、譲り受け側の税務申告書や商業登記簿の確認、これらに記載のある代表者、役員及び株主等の関係者も含めたコンプライアンスチェックが想定されますが、特に譲り渡し側が債務超過の場合等、M&A の成立において譲り受け側の信用が特に重要となるケースにおいては特に慎重に調査を実施し、この場合においては譲り受け側の財務状況について、少なくとも決算公告や税務申告書の確認により適切な確認を実施します。
·過去に支援を行った譲り受け側についての情報提供や業界内での情報共有の仕組み等により最終契約の不履行等の不適切な譲り受け側に係る情報を取得した場合には、当該情報を担当者レベルに留めず、組織的に共有し、当該譲り受け側に対するマッチング支援の提供を慎重に検討するための体制を構築します。
·当該譲り受け側への新たな支援の実施については、取得した情報の内容を精査及び同様の行為による譲り渡し側への不利益の考慮により慎重に検討の上、仮に実施する場合には、組織的な判断(明確化された基準の下での一担当者限りではなく組織的なプロセスによる判断であって、組織的に記録され、事後に検証可能であるものをいう。)により行います。
·(仲介者の場合)譲り受け側の不適切な行為に係る情報を得ている場合には、譲り渡し側に対して開示します。
○仲介契約・FA契約の契約条項に関する留意点
専任条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

25専任条項を設ける場合、その対象範囲を可能な限り限定します。具体的には、依頼者が他の支援機関の意見を求めたい部分を仲介者・FAに対して明確にした上、これを妨げるべき合理的な理由がない場合には、依頼者に対し、他の支援機関に対してセカンド・オピニオンを求めることを許容します。ただし、相手方当事者に関する情報の開示を禁止したり、相談先を法令上又は契約上の秘密保持義務がある者や事業承継・引継ぎ支援センター等の公的機関に限定したりする等、情報管理に配慮します。

26専任条項を設ける場合には、契約期間を最長でも6か月~1年以内を目安として定めます。

27依頼者が任意の時点で仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する条項等(口頭での明言も含む。)を設けます。
直接交渉の制限に関する条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

28直接交渉が制限される候補先は、当該M&A専門業者が関与・接触し、紹介した候補先のみに限定します(依頼者が「自ら候補先を発見しないこと」及び「自ら発見した候補先と直接交渉しないこと(依頼者が発見した候補先との M&A 成立に向けた支援をM&A 専門業者に依頼する場合を想定)」を明示的に了解している場合を除く。)。

29直接交渉が制限される交渉は、依頼者と候補先の M&A に関する目的で行われるものに限定します。

30直接交渉の制限に関する条項の有効期間は、仲介契約・FA 契約が終了するまでに限定します。
テール条項については、特に以下の点を遵守して、行動します。

31テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とします。

32テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触した譲り受け側であって、譲り渡し側に対して紹介された者のみに限定する。具体的には、ロングリスト/ショートリストやノンネーム・シート(ティーザー)の提示のみにとどまる場合はテール条項の対象としません。少なくとも.....ネームクリア(譲り受け側に対して企業概要書を送付し、譲り渡し側の名称を開示すること。)が行われ、譲り渡し側に対して紹介された譲り受け側に限定します。
※なお、ガイドラインにおいてはテール条項の対象としては、ネームクリアが行われ、譲り渡し側に対して紹介された譲り受け側に限定すべきことを示しており、これを満たす場合においてすべからくテール条項の対象について有効性を認めるものではありません。

33仲介契約・FA契約において専任条項が設けられていない場合に、依頼者が複数のM&A専門業者から支援を受け、結果として複数のM&A 専門業者から同一の候補先の紹介を受けた場合、依頼者から成約に向けて支援を受けるM&A専門業者として選択されなかった場合、テール条項を根拠とした手数料を請求しません。
○仲介者における利益相反のリスクと現実的な対応策(※仲介業務を行わない場合は不要)
仲介業務を行う場合、特に以下の点を遵守して、行動します。

34仲介契約締結前に、譲り渡し側・譲り受け側の両当事者と仲介契約を締結する仲介者であるということ(特に、仲介契約において、両当事者から手数料を受領することが定められている場合には、その旨)を、両当事者に伝えます。

35仲介契約締結に当たり、予め、両当事者間において利益の対立が想定される事項について、各当事者に対し、明示的に説明を行います。また、別途、両当事者間における利益の対立が想定される事項に係る情報(一方当事者にとってのみ有利又は不利な情報を含む。)を認識した場合には、この点に関する情報を、各当事者に対し、適時に明示的に開示します。

36両当事者から依頼を受ける以上、両当事者に対して中立・公平でなければならず、不当に一方当事者の利益又は不利益となるような利益相反行為を行いません。

37特に、仲介者自身又は第三者の利益を図る目的で当該利益相反行為を決して行わず、仲介契約書において、少なくとも、以下の行為を行わない旨を仲介者の義務として定めます。
·
譲り受け側から追加で手数料を取得し、当該譲り受け側に便宜を図る行為(当事者のニー
ズに反したマッチングの優先的実施又は不当に低額な譲渡価額への誘導等)
·
リピーターとなる依頼者を優遇し、当該依頼者に便宜を図る行為(当事者のニーズに反したマッチングの優先的実施又は不当に低額な譲渡価額への誘導等)
·
譲り渡し側(譲り受け側)の希望した譲渡額よりも高い(低い)譲渡額でM&A が成立した場合、譲り渡し側(譲り受け側)に対し、正規の手数料とは別に、希望した譲渡額と成立した譲渡額の差分の一定割合を報酬として要求する行為
·
一方当事者から伝達を求められた事項を他方当事者に対して伝達せず、又は一方当事者が実際には告げていない事項を偽って他方当事者に対して伝達する行為
·
一方当事者にとってのみ有利又は不利な情報を認識した場合に、当該情報を当該当事者に対して伝達せず、秘匿する行為

38確定的なバリュエーションを実施せず、依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝えます。


39参考資料として自ら簡易に算定(簡易評価)した、概算額・暫定額としてのバリュエーションの結果を両当事者に示す場合には、以下の点を両当事者に対して明示します。
·あくまで確定的なバリュエーションを実施したものではなく、参考資料として簡易に算定したものであるということ
·当該簡易評価の際に一方当事者の意向・意見等を考慮した場合、当該意向・意見等の内容
·必要に応じて士業等専門家等の意見を求めることができること

40交渉においては、一方当事者の利益のみを図ることなく、中立性・公平性をもって、両当事者の利益の実現を図ります。

41デュー・ディリジェンスを自ら実施せず、デュー・ディリジェンス報告書の内容に係る結論を決定しないこととし、依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝えます。

○その他
42上記の他、中小M&Aガイドラインの趣旨に則った対応をするよう努めます。


以上

ガイドラインについて

  • 中田聡公認会計士事務所 大阪市北区梅田2丁目5番6号 桜橋八千代ビル3階 受付時間 9:00~18:00(平日) 06-4797-8100
  • 中田聡公認会計士事務所 大阪市北区梅田2丁目5番6号 桜橋八千代ビル3階 受付時間 9:00~18:00(平日)
  • inq_telsp.png
  • メールのお問い合わせ
初回無料相談 事前予約で土日祝対応可 中田聡公認会計士事務所 受付時間 9:00~18:00(平日) TEL:06-4797-8100 お問い合わせ お客様の声
大阪医院開業・医療法人設立支援センター 大阪相続税サポートセンター
お客様の声 大阪医院開業・医療法人設立支援センター 大阪相続税サポートセンター
ブログブログ